Q:相談
A:回答
エネルギー自給率の1位はノルウェーで800%。日本は17%です。
しかし石油などの化石燃料には限りがありますし、天然ガス、石炭などもやがて枯れ、原子炉などは放射能の危険性をともないます。資源が少なくなると価格が高騰しエネルギー入手も困難になります。
オーストラリアでは地中深くに穴を掘り、無限の地熱エネルギーを利用する計画があります。これとは逆に石炭を掘るときに出る二酸化炭素を地中に閉じ込めるということに着目したのが、
科学者ジョンカルビー。
石炭は他の燃料に比べて安価なため、よく使われます。平均的な石炭工場は酸性雨の原因となる、硫黄を年1万トンも排出し、スモッグの原因となる窒素も1万トン、二酸化炭素は400万トンも排出してしまうのです。
オーストラリアの国土の8割は砂漠です。これは世界の6ヶ国分のエネルギーが1日に降り注ぐ計算になるのです。ジョンラシックは、太陽電池でソーラーパネルのエネルギーを電気に変換します。火星探査機も、この技術を使っています。
その仕組みとして、日光は光子で出来ていて、光子が太陽電池のシリコンにぶつかると、自由に動き電流が作られます。多重構造の太陽電池なら、各層が異なる波長の太陽光を捕らえるので、普通の太陽電池では逃してしまう光子もしっかり捕らえることができるのです。
ラジックの開発したソーラーパネルは従来の1500倍の効果があり325平方メートルの電力を生み出せるのです。
ニューヨークではイーストリバー潮流タービンで、1000世帯以上の電力供給を目指しています。どの技術もまだ開発段階ですが、実現されても供給量は少ないものです。
カリフォルニア州の国立点火施設では「レーザー核融合」という技術が研究されています。太陽で起きている核融合反応を人工的に再現するのです。水素と水の分子を使えば莫大なエネルギーを得られます。
クリスウィーリン博士は、イギリスのオックスフォード近郊で15億ドルをつぎ込んで核融合の施設を開設しています。光星は水素を燃やして核融合反応を起こします。この反応を実験室で起こすには、融合されやすい水素が必要です。
リチウム電池の三重水素と水にある重水素。この2つの水素から核融合ができると、マークビューセンスは言います。リチウムイオン電池から、6グラムのリチウムを取り出し、そこから三重水素を取り出し、風呂一杯分の水から抽出した重水素と混ぜます。
これだけで普通の人が一生分使う電気を生み出すことができるのです。核廃棄物も放射能の量も少なくてすみます。しかし核融合を起こすこと自体が難しいのです。
太陽は巨大なプラズマで構成されていて、プラズマは水素から成り立っています。温度は1500万度にまで上昇。その中で水素が互いにぶつかり合い核融合反応を起こし、ヘリウムが作られ膨大な量のエネルギーが放たれるのです。
しかし地球で、これと同じような超高温の環境を作るためドーナツ型の核融合高炉を1億度まで熱しています。太陽系で1番熱いのは地球なのです。しかし、これほどの高温を維持するには、プラズマが機械のスチール線に触れないようにしなければなりません。
触れると核反応がストップしてしまうのです。これを解決するために、管にそって磁力を走らせれば、粒子を壁から離しておくことができます。ただ、この方法だと高温すぎてコイルが溶けてしまい核融合炉は30秒しか動かせません。
太陽パワーを再現できても維持することができないのです。現在、34カ国が130億ドルをつぎ込んでイギリスの10倍の大きさの核融合炉「イー ター」を開発中です。より高い磁場を作り出すことができるので、オーバーヒートしないコイルを使い長い時間パルスを走らせられることに期待されています。
40年後は中国、インド、東南アジアが先進国となり、の人口は30億人ほど増加します。2009年、風力発電量でドイツと米国に次ぎ世界3位となったのは中国です。風力タービン製造においては1位です。しかし風力発電は天候に左右されるというデメリットがあります。
2006年にマカニパワー社を設立した、モンタギュー社長は、元サーフィン大会優勝者。サンフランシスコの米軍基地で、凧が風を自動的に探知してエネルギー供給する仕組みを研究しています。
凧といっても飛行機のような形をしているのですが、離陸から着陸から凧の回収までを完全オートメーション化にするためにコンピューター制御できるかどうかが課題です。この問題をクリアできれば風力タービンに比べ高高度風力発電は可能だそうです。
スペイン南部に平面鏡が並んでいます。高さ120メートルの塔の上にある集熱部タンクに光を集めるためです。鏡が600枚もあるので260度まで温度が上昇します。
すると蒸気が発生して、タービンを回転させ電気を作ることができるのです。現在1万5000世帯以上に電力を供給。数を増やせば20万世帯を補えるでしょう。
しかし太陽エネルギーは天候が曇ると発電しないという欠点があります。その欠点を改善するにはエネルギーを蓄える方法が必要なのです。
アンダルシア地方の太陽発電所は世界最大です。太陽エネルギーを集めるだけでなく、貯蔵もできるのです。日中の太陽エネルギーは莫大なため電気に変換しきれないほどです。
そこで2万8000トンの融解塩を熱して、エネルギーを数日間蓄えて貯蔵します。これで4万世帯に電気を送り続けているのです。
太陽は皆のものなので、この市場の競争は激化しています。シューベルトはプロのミュージシャンであり、建築家でもあります。オリーブには太陽エネルギーが詰まっています。
工場では年間130億個のオリーブを加工している過程で種は廃棄処分されるのです。シューベルトは建築をしている最中にエネルギーの詰まった種を燃 やして素性気で電力に変換することを思いつきます。太陽エネルギーが詰まったものは他にもあるので、創造力を働かせれば発電方法は見つかるということです ね。
自動車は化石燃料で動きます。そのためクリーンで協力な燃料開発が必要です。バッテリーには燃料電池、原子力電池、風力電池、太陽電池などがあり、 マサチューセッチュ工科大学のサドウェイは再生エネルギーを用いた新しい大量バッテリーを開発し、大量電気を貯蔵しようとしています。
1000台のカーバッテリーを設置するより、巨大バッテリーを1台設置するほうが安価です。
バッテリーにはプラスとマイナス2つの核があり、その間にある電解液が電気を通します。これを巨大化し、溶融金属は650度以上に保つことで、膨大なエネルギーを蓄積できるのです。完成すれば1台でニューヨークの街全体をカバーできるのです。
建築家のケネディが太陽電池セルによる、片方が太陽電池、片方が高輝度LEDという「太陽電池カーテン」を発明しています。これにより家庭で消費する電力の一部を貯えることができるのです。
カルフォルニア工科大学の科学者ルイスは、「ソーラーペイント」という電気を作る塗料を発明しました。
塗料中の科学物質が光を吸収し電子が流れます。それが配線を通してブレーカーに流れ電気になります。
他にも彼は植物の光合成システムに注目し「人工葉」の研究もしています。
植物は太陽光で水を酸素と水素に分離して水素でブドウ糖を合成します。シリコンを水に入れると光を吸収して水素を作るので、人工葉に太陽エネルギーを貯蔵して家庭用電力に利用するのです。
水素は密度が低いので作るには、屋根のような広いスペースが必要です。そのためにシリコンを「気泡シート」のような形状にし屋根に広げ、水を流して太陽光で分解させ、酸素ガスは取り除き水素ガスを家庭用燃料に変換させるというわけです。
水素ガスは他のガスと結合すれば、どんな燃料も作ることができます。例えば、二酸化炭素と水素を科学結合させメタノールを作ったり、気体を液体にしたり様々な形態の燃料を作れるのです。
ドイツでは、電気自動車を使わない間、インターネットを通じて電力会社が送電を制御します。これで最大20世帯に供給するのです。提供した電気は電力会社に請求して売ることができます。
自然界には植物をエネルギーに変える生き物がいます。ウィスコンシン大学のスエンは、糖分を作り出す微生物を研究しています。微生物は生ゴミを肥料に変えるし、腐敗過程もエネルギーになります。
熱帯雨林のハキリアリは、年間400キロ以上の葉を集め、重さは4トンにもなり、小型トラック2台分の量です。ハキリアリは集めた葉でキノコを育 て、エネルギー源となる糖分を作るのです。微生物の作る糖分はバイオエタノールなどの燃料にもなるのです。エネルギー熱量はガソリンの80%。量が必要な のです。
合成生物学者のキーズリング。彼は遺伝子操作技術で燃料を作る研究をしています。森はエネルギーの宝庫で、捨てるはずの芝生やトウモロコシの茎や廃材も分解に最適な酵素を見つければ燃料になります。
目的は、地球が何百年もかけて作る燃料を1日で作ることです。バイオマスは、そのままでは燃料として使えないため、バイオマスを糖化して燃料に変換すれば自動車の燃料にも使えるのです。
車の85%は再利用されていますが、残りの15%であるプラスチックやゴムも熱分解すればディーゼルエンジンが作れます。有害部室を出さないためには、高温高圧の水と混ぜて加水分解をすれば大丈夫です。
日本では太陽光パネルを宇宙に設置する計画が進んでいます。宇宙から太陽エネルギーを送り、25万世帯以上に電気を供給するのです。
他にも音力発電の速水浩平社長が音や振動といったマイナスエネルギーを使って発電する「振動力発電」の研究をしており、東京の道路にかかる橋のライトは車の振動により発電していたりします。
他にも日本ならではの発電方法として「潮力発電」という潮の波を利用して発電する方法や、「藻」からエネルギーを作るといった研究もおこなわれているのです。
これは藻類学者である渡邉信(わたなべまこと)が40年間もの間「藻」を調査して沖縄で発見されたのが、「オーランチオキトリウム」という石油を作る藻であり、光合成をおこなわずに水中の有機物を食べて、油を作り細胞内に溜め込むため集めれば燃料として使えるわけですね。
日本の海底に埋蔵されているメタンハイドレードという燃える氷があります。二酸化炭素の排出量は石油の70%で燃え尽きると水が残るだけという環境に優しいエネルギーで注目されています。
カナダの発明家、ジムローエンは、都市の吹く風を捕らえるため浮き上がる風車を開発しました。普通の風車は2つ以上の風を受けると失速し上手く回りません。
そこで羽が水平方向に回る風車をデザイン。こうすることで、どの方向からも風を受けて回ることが可能になったのです。また磁力で風車を屋根から浮かせることで振動や騒音も減らすことができます。
ジョンマンキースは高度3万6000キロの宇宙に直系1.5km以上の太陽電池を打ち上げ、取り込んだ太陽エネルギーを無害なマイクロ派へと変換し、地上の受電装置に送り電気に変換する計画をたてています。
フロリダの海洋工学博士リック・ドリスコルは、海底に巨大な発電施設を水深300メートル以上に建設しようとしています。フロリダのエネルギーは8割を輸入に頼っているので、途切れれば即停電です。
その問題を解決するのに南フロリダは毎秒300億リットルの海水が沖を流れ最適なのです。しかし海底にタービンを設置する技術は宇宙飛行よりも難しい技術といわれています。
海面では1気圧でも、海底では31気圧になり、発泡スチロール容器なら潰れてしまうほどです。フジツボなどの腐食からも守らなければなりません。タービンが設置できれば7ギガワットは発電可能です。
発電は海だけではなく、地熱発電でもできます。これは地熱エネルギーと呼ばれ、地球を動かしているため、ほぼ無限と考えられています。地下から蒸気を取り出し、エネルギーとして利用するので燃料が要らなく24時間稼動可能です。
カリフォルニア州北部にあるボトルロック地熱発電所は15年前に安価な化石燃料に押され、閉鎖に追い込まれました。これは電話もコンピューターもない時代に建設されたからであり、今は時代が変わりました。
原油価格は高騰し、地球温暖化も深刻化。地熱発電は環境負荷が低く、汚染物質排出はゼロなため、発電所は再び再建されることとなりました。発電には水を処理して地熱地帯へ送り、地下の蒸気発生部分へ注入。
そこから回収した蒸気で発電するという仕組みです。地下3キロで水は加熱され、1日7500万リットルの蒸気量を得られ160度の状態で輸出官からタービンに送られます。このタービンが蒸気で回り電気が作られ3万世帯以上に供給されるのです。
J・テスター博士いわく、深く掘れば、どんな場所でも地熱エネルギーは利用可能だそうです。地球の内部は高温なので、そこから熱が得られるのです。
例えば地震が活発なカリフォルニアの地下10キロの温度は300度以上になります。ノースカロライナだと地下3キロで50度。10キロで200度です。しかし地下深く掘るにはコストがかかります。
そこでテスター博士は、掘るのではなく溶かすという発想を考えつきました。ロケットエンジン装置で15センチの炎を発生させ、岩盤を溶かすのです。ただしこの発電方法は地震と表裏一体なのです。
地震学者のE・メージャーいわく、地震と地熱発電の注水には関連性がみられるそうです。フランスのソルツやバーゼルでは地震活動が活発化されたという報告があります。ボトルロック地熱発電所のあるカリフォルニア州北部でも地震の量は増加しています。
A・ヒーガー博士は価格の安い太陽電池の製造技術を確立しようとしています。彼は球状の炭素分子フラーレンと、プラスチックを混合すると中の電子が動くので、中の導電率を調べました。
すると1兆分の1秒と光合成よりも速く電気を伝えることが分かったのです。博士は素材の組み合わせを変えて太陽電池インクを発明しました。新聞を印刷するように太陽電池が作れるのです。製品はコナーカ社から実用化される予定です。
厚みは毛髪の10分の1で、室内の弱い光でも発電可能です。この電池を内蔵すれば携帯電話などは、コンセントから受電しなくても自動的に充電されるようになります。
コストは1ワット1ドル以下。大量生産されれば10セントまで下がります。そのうち世界から電線がなくなるでしょう。
A・ベルチャー博士は「ウィルスバッテリー」を考案しました。
ウィルスの遺伝子を操作して同一のものを10億個増殖させ、金属酸化物と結合するものを探し、正電荷を持つ素材と負電荷を持つ素材の2つを使い薄い膜を作ります。
ウィルスは粘着性の物質に近づけると層状の組織を形成。積み重なると硬い板状になります。これがバッテリーの正極となり、反対側は別のウィルスが負極を形成し、極細のワイヤーで取り付けたら薄くて超軽量の「ウィルスバッテリー」の完成です。
貝は殻を形成するのに有害部室を出さず、死ねば自然に返ります。ウィルスバッテリーも同じです。
2050年にはゴミの量も倍増します。効率的にゴミの量を減らして二酸化炭素を削減する技術が求められます。
ノルウェーでは下水からエネルギーを取り出して都市の暖房にあてています。
オーストラリアではゴミからエネルギーを産み農業の収穫量を高め、炭素を土に閉じ込めるバイオチャーという技術があります。
これは有機ゴミを閉じて地方に送り、そのゴミを熱分解して、墨とエネルギーを作り出し、エネルギーは都市に、墨は土に返すのです。
二酸化炭素は21%ダウンしました。これにより、郊外の埋立地は消え、ゴミ焼却炉は閉鎖。有機ゴミが農業で使えるようになったのです。
日本の香川ウドンは1つの工場だけで年間1500トン以上が廃棄処分されています。その廃棄費用は1トン1万円。
しかしウドンをペースト状にして酵母を加えて1週間醗酵させるとエタノールになるのです。
これはウドンのでんぷんがエタノールの原料ブドウ糖に分解されるため起こるのですが、ウドン100gからエタノール10gがとれるそうです。
エクアドル東部のアマゾン川源流部にあるヤスニ国立公園。そこは最大の石油未開発地区だったのですが
「アマゾンの森林を守るために油田開発を放棄する」とエクアドル大統領ラファエル・コレアは言いだしました。
石油を放棄するということは70億ドルを手放すことを意味し、石油からの収入が途絶えればエクアドルは破産しかねません。
しかし、環境を保護しながら石油を放棄した生活が実現できることを、先進国に説こうという考えがあるのです。
このようにエネルギー問題といえども、様々な解決策があるわけですし、そのなかから国民が何を選択し、国によって成立する方法はどれなのかを吟味する必要があると思います。
何も調べないということは、選択の余地もなくなり、「エネルギーを支配して利益を上げる」といったことしか考えられない奴らに、騙されて、摂取され続ける人生や世界になってしまいます。気をつけましょう。