Q:相談
私は自殺願望もなければ自殺を勧めているわけでもありませんが、あえて聞きます。なぜ自殺してはいけないのでしょうか?
A:回答
いい悪いの問題ではなく病気と考えたほうがいいかもしれません。
まず、遺伝子的にDNAの長さが短いほうが心が不安定になりやすく
自殺しやすいことが判明していますし、
双子の実験で片方には明るい音楽を聞かせて、
前向きな言葉が書かれた本を読ませ、
もう片方には暗い音楽や、
後ろ向きな言葉ばかり書かれた本を読ませた結果、
双子にもかかわらず、
片方はプラス思考になり、
もう片方はマイナス思考になり
自殺願望まで出てきたという実験もあります。
また、ウィスコン大学の
ネッドケイリン博士とスティーブン博士による
「心の問題と生存競争の関係性」
という研究がプエルトリコの島でおこなわれています。
ここに生存する赤毛サルは、
脳と社会的行動が、人間と似ていることで知られています。
このサルを、落ち込みやすい性格、
心配性といった個性(感情スタイル)で分類していった結果、
自立心を持ったサルは80%生き延びて、
自立心を芽生えさせることができなかった20%のサルは死んでいることがわかりました。
この違いを調べた結果、死んだサルはストレスに弱く、
悲しさをかかえても回避する方法がわからずその結果、
食べることをやめて自殺したという結果が出ています。
つまり生き残れるサルは、自分の感情をコントロールして
ストレスを分散させる教育を親から受けているわけです。
先天的要素と教育によって自殺する性格が形成される
かどうかが決まるということが、この研究でわかりました。
またウェルテル効果といって、
自殺の報道がされると自殺者数が増加するということが判明しています。
このような事実から、自殺は・・・
- 遺伝的なものだったり、
- 教育により形成される感情コントロールや、
- ストレス、さらには報道により伝染する性質を持った
特殊な病気みたいなものと考えられます。
だから良い悪いという問題ではなく、
治療する方法を確立できるかどうかということを考えるべきでしょう。
よく自殺と宗教論を結び付けますが、
これはペストが悪魔の仕業だと言っているようなものです。
遺伝による引継ぎはあったとしても、
環境によりその遺伝が開花しないですむこともあります。
虐待の連鎖などもそうですし、
もしかしたら自殺する心裡もそうかもしれません。
周囲の協力が必要なのは確かでしょう。